
森田療法 (講談社現代新書)
岩井寛
主婦の友社 / 2018-03-31
この本について
最近、気持ちがざわつくたびに「落ち着け」「ちゃんとしろ」と自分に言い聞かせて、逆に動けなくなることがありませんか。僕もそうで、緊張や不安をなくそうと頑張るほど、かえって意識がそこに吸い寄せられてしまうことがよくあります。頭では「気にしすぎだ」とわかっているのに、身体がついてこない感じです。 森田療法の本を読んでまず救われたのは、この“悪循環そのものを認めることから始める”という視点でした。不安を押しつぶすのではなく、「とらわれている自分」をそのまま認める。そこで力を抜くと、少しだけ動ける余白が生まれるんですよね。また、人間にはプラスとマイナスの欲望が同居していて、その相反するものを同時にもつのが自然だという説明にも腑に落ちました。良い面だけを残そうとすると歪む、という指摘は、自分の完璧主義的な癖を見直すきっかけになりました。 さらに、本書が強調する「目的本位」の姿勢は、実生活でとても使えます。恐怖が消えてから行動するのではなく、恐怖があるまま必要な場所に足を運ぶ。会議に出る、電車に乗る、人と話すといった当たり前の行動に、自分をもう一度つなぎ直すイメージです。それができた日は、不安が残っていても「今日の自分はちゃんと生きたな」と思えるんですよね。 完璧じゃなくていいから、とらわれやすい気質とうまく付き合いたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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