
はじめての森田療法 (講談社現代新書)
北西憲二
講談社 / 2016-08-20
この本について
最近、気分が重いまま一日が始まって「こんな状態で動いていいのか」と足が止まることがよくあります。過去の後悔や、起きてもいない未来の不安が頭を占領して、いま目の前の生活から意識が抜け落ちていく感じ。気持ちをなんとか整えてから動こうとするほど、逆にうまくいかないんですよね。 『はじめての森田療法』を読んで救われたのは、「気分と行動は別にしていい」という視点でした。気持ちが暗いなら暗いままでよくて、そのまま台所に立つとか、メールを一本返すとか、いま扱える行動を淡々とこなしていけばいい。すると不思議と、気分のほうが後からついてくる。これは精神論ではなく、誰でも試せるごく生活的なアプローチとして書かれています。 もうひとつ刺さったのは、「あきらめ」の意味が世間のイメージとまったく違ったこと。物事をありのまま認識し、できないものはできないと受け入れることで、執着がほどけていく。感情は放っておくしかないものだと腑に落ちたとき、ようやく身動きができる感じがありました。 気持ちの浮き沈みに振り回されやすい人、自分を無理にコントロールしようとして疲れてしまう人には、とくに静かに刺さる本です。気分を変えるのではなく、生活のほうを整える。その地味だけど効く方向転換を教えてくれます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの72%が集中しています。
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