
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―(新潮文庫)
米原 万里
この本について
日々、人の価値観に振り回されたり、自分の「正しさ」がどこまで当てになるのか分からなくなることがよくあります。相手の立場に立とうとしても限界があるし、常識も場所や文脈で簡単にひっくり返る。そのモヤモヤの中で、少し視界が開ける感覚をくれたのが『魔女の1ダース』でした。 この本は、大きな主張を押しつけてくるタイプではなく、米原万里さんが世界中で出会った“異端”や“例外”を、淡々としていながら鋭い視点で描いています。たとえば「希少だから価値がある」という人間の癖を短編の話からさらっと暴き出したり、「思いやりには限界がある」と言い切ったうえで、相手に語らせる姿勢のほうが現実的だと示したり。こういう一歩引いた見方を知るだけで、身の回りの出来事が少し違って見えるようになります。 さらに、料理文化と資本主義の発展を結びつけるような大胆な仮説や、育児や教育に対する各国の姿勢の違いなど、「そう来るか」と思う角度の話が続きます。自分の常識がどれだけ狭い範囲でつくられているのか、嫌味なく気づかせてくれるところが、この本の魅力だと思います。 自分の価値観が固まりすぎている気がする人や、世界の見え方を少し揺さぶられたい人にはぴったりの一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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