
人間・始皇帝 (岩波新書)
鶴間 和幸
岩波書店 / 2015-09
この本について
仕事でも生活でも、「表向きの理由と、本当の理由がズレている気がする」と感じる場面ってありますよね。人の判断ってまっすぐ説明できるようで、実際はもっと複雑で、権力や不安や環境が入り混じっている。本を読んでいても、歴史上の人物がなぜその行動を取ったのか腹落ちしないことが多いのですが、この本はそのモヤモヤをかなり丁寧にほぐしてくれました。 抜粋を見てもわかるように、著者は始皇帝を「巨大な英雄」でも「残虐な暴君」でもなく、環境と人間関係に揺れ動く一人の人間として追いかけます。たとえば、東方の商人文化に触れながら育ったことが外交姿勢にどう影響したのかとか、質子としての在外経験が意思決定の幅をどう広げたのか。あるいは、五徳思想や河の改名まで含めて「世界をどう見ていたのか」が具体的に立ち上がってくる。読んでいるうちに、歴史のなかの判断が一つひとつ「理由のある選択」として見えてきて、自分の仕事での迷いも少し整理されました。 僕みたいに、表に出てくる事実よりも「そこに至るまでの背景」が気になってしまう人には、とくに刺さると思います。歴史を学ぶというより、人がどうしてそんな行動を選ぶのかを、もう少し現実的な目線で知りたいときに向いている一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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