
ボツ 『少年ジャンプ』伝説の編集長の“嫌われる”仕事術
鳥嶋和彦
この本について
仕事で何かを任されたとき、「これ以上どう伸ばせばいいんだろう」とか「自分の意見をどこまで言っていいのか」で迷うことがよくあります。とくに、相手が才能ある人だったり、成果が少し出ている状況だと余計に踏み込みづらい。僕自身、そこで中途半端な判断をして後悔したことが何度もあります。 この本を読んで感じたのは、鳥嶋さんが語る“挑戦させる側の責任”の重さです。ヒットが出るかどうかなんて誰にも分からない。でも「挑戦する土台をつくるのが自分の役目」という姿勢が徹底されている。結果が出ている作品に対しても「もっと遠くに行けるはず」と言い切る視点は、単なる厳しさじゃなくて、相手の才能に対する深い敬意があるからこそ成立しているんだと思います。 もうひとつ刺さったのは、「面白いかどうかをまず冷徹に判断する」というところ。相手の気持ちを傷つけたくなくて曖昧な言い方をしてしまう場面、僕もあります。でも判断を避けると、分析も提案も始まらない。逆に、きちんと向き合って理由を説明できれば、たとえボツを出す状況でも誠実さは伝わる。そこが逃げるか踏みとどまるかの分岐点なんだろうなと感じました。 才能を前にしたとき、どこまで関わるべきか悩んでいる人。遠慮と敬意を混同してしまいがちな人。そういう人ほど、この本は静かに効くと思います。
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