
空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? ドローンを制する者は、世界を制す (集英社ビジネス書)
高城剛
集英社 / 2016-03-30
この本について
最近、技術の話になると「結局なにが変わるのか」「自分の生活とどうつながるのか」がよく分からなくて、置いていかれる感じがありませんか。ドローンの話も、ニュースではよく見るのに、自分ごととして捉えにくいまま流れていく。でも本当に変わるのは、機体の性能よりも“社会のすき間”のほうなんじゃないか、とこの本を読んで思いました。 著者は、地上数十メートルから航空法の世界まで、どの省庁の管轄が重なっているかを丁寧に追いながら、「新しい技術は規制と規制の境目に生まれる」と示します。読んでいて印象に残ったのは、インターネットが「アップロード」で社会を変えたように、ドローンも“個人が物を届かせる側に回る”ことで初めて本質的な変化が起きるという視点でした。配送の不在率が五分の一を占める現実や、機体が自律飛行して庭に着地する未来が当たり前の前提として語られると、技術が急に生活の延長線に降りてきます。 さらに、イノベーションは中心地ではなく辺境から生まれるという話も、単なる理屈ではなく具体的な地名と歴史が並ぶことで妙に腑に落ちます。技術そのものよりも“どこで何が起きるのか”を嗅ぎ分ける感覚が磨かれる本だと思います。 テクノロジーの波に距離を感じつつも、「社会の形がどう変わるのか」を自分の言葉で掴みたい人に刺さる一冊です。
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