
精神分析入門(上)(新潮文庫)
フロイト, 高橋 義孝, and 下坂 幸三
この本について
日々、人前での言い間違いや、判断ミスみたいな小さなつまずきに妙にひっかかることがあります。疲れていたからかな、と片づけてしまうけれど、本当にそれだけなのかと考え始めると、ちょっと胸の奥がざわつく。僕自身も仕事で余裕がない時ほど、ふと漏れた一言に「本音が出たのか…?」と自分で驚くことがあります。 『精神分析入門』は、そういう日常の些細な“ひっかかり”を、単なる不注意ではなく、心のどこかで起きている別の動きを手がかりとして扱います。フロイトの説明は古典ではあるけれど、言い間違いが「それ自身の目的を追求している心的行為」として扱われる視点は、今読んでも妙に腹落ちするんですよね。興奮や注意の転逸がどう起こるのか、眠りと目覚めのあいだで夢がどう混じり合うのかなど、普段は意識しない“内側の力学”が、具体的な例とともに淡々と描かれています。そのおかげで、自分の反応を感情論で片づけずに観察する感覚が育つというか、思考の足場が一段増える感じがありました。 自分の言動の裏にある動機を、決めつけずに丁寧に扱いたい人には静かに刺さる本です。理屈を覚えるというより、日常の違和感をじわっと言語化していくための一冊として、僕はそばに置いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
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