
痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか
安田理央
この本について
性に関する話って、普段は自分の中だけで処理してしまいがちですよね。なんとなく「世の中の欲望ってどう動いてるんだろう」という疑問があっても、言語化できないまま放置してしまう。僕もこの本を読むまでは、AVで描かれている女性像がどう作られ、どう変わってきたのかなんて深く考えたことがありませんでした。 読んで驚いたのは、「痴女」や「熟女」「人妻」といった属性が、ただの“男性の妄想”で片付く話ではなかったことです。たとえば現在の痴女像を形づくったのが女性たちだったという事実は、欲望の流れが一方向ではないことを示していて、自分が思い込んでいた構図がひっくり返されました。また、ドラマが好まれていた時代から、チャプター飛ばし前提の短いシチュエーション重視に移っていく過程は、ユーザーの消費行動が作品そのものをどう変えていくのかを具体的に掴めます。素人ものが規制や需要の変化で“形骸化”していく話も、リアルとフィクションの境界がどう揺れるのかを考えさせられました。 結局、アダルトメディアは「大衆の欲望のイタコ」として時代の気分を正直に映している。その流れを追うことで、自分の中にあるモヤモヤの正体が少しだけ輪郭を持つ気がします。性にまつわる文化の動きが気になる人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
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