
日本の風俗嬢(新潮新書)
中村 淳彦
この本について
ときどき、風俗について語ろうとすると、自分でもよくわからないモヤモヤが出てきませんか。善悪で割り切れないし、働く女性のリアルも想像しきれない。かといって、表面的な情報だけでは腑に落ちないまま止まってしまう。僕自身、この領域はずっと距離があったのですが、この本は「判断する前に、まず現実を知る」という入口をつくってくれました。 読者が保存していた抜粋を見ると、多くの人は“制度としての風俗”と“そこで働く個人の視点”のギャップに反応している気がします。売春防止法の成り立ちが「女性を罰するためではなく、保護のためだった」という説明や、合法と非合法の境界が実は歴史と国際政治の産物だという部分は、思い込みを静かにひっくり返してきます。また、現場の女性が「選ばれた職業」として自分の価値を捉えている描写には、こちら側の固定観念のほうが揺さぶられます。 この本のよさは、性風俗の善悪を決めつけるのではなく、制度・法律・経済・女性個人の意識変化がどう絡み合っているかを、そのままの姿で見せてくれるところです。読んでいると、自分の中にあった“単純化”がほどけていき、判断より先に理解を置けるようになる。僕にとっては、その視点の変化が一番の収穫でした。 偏見や価値観の揺れに自覚がある人、あるいは風俗というテーマを自分事として扱うのが難しかった人には、とくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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