
古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)
古市 憲寿
この本について
社会のことを考えたいのに、ニュースや論争を追っても「結局なにが本質なんだろう」とモヤモヤすることが僕にもよくあります。仕組みで語ろうとすると抽象に迷い込み、日常で語ろうとすると個人的な話に寄りすぎてしまう。そのあいだを行き来してばかりで、視点の置き場を見失うんですよね。 『古市くん、社会学を学び直しなさい!!』は、その迷いをいったん地面に降ろしてくれる本でした。上野さんや山田さん、橋爪さんらとの対話を通して、「社会学って何ができて、何ができないのか」を、具体例をまじえて淡々と教えてくれる。たとえば、データがすべてを語るわけでもなく、かといって物語だけでも社会は説明できないという話。あるいは、社会学が社会を幸せにする魔法ではなく、「辛さに耐える力」をつけるための思考装置だという指摘。どれも、日々の生活で感じる違和感にそっと名前をつけてくれる感じがあります。 特に刺さったのは、「現実のほうが想像力より豊かだと思えること」という社会学の姿勢でした。理論をふりかざすのではなく、経験に含まれる複雑さをどう扱うかを考える。その姿勢は、仕事での判断や、人間関係での行き詰まりをほぐすときにも役に立つ気がします。 社会の仕組みを体系的に理解したいけれど、専門書だけではしっくりこない人。あるいは、自分の違和感の正体を少しだけ言葉にしたい人に届く本だと思います。
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