
東京の敵 (角川新書)
猪瀬 直樹
KADOKAWA / 2017-01-20
この本について
都政のニュースって、聞きかじりはしていても「結局どういう力関係で動いているのか」がよく分からないままモヤモヤが残りませんか。政策の良し悪し以前に、そもそもの構造が見えなくて判断しづらいというか、どこか距離を感じてしまうというか。僕もずっとその側の人間でした。 『東京の敵』は、その曖昧な“見えない部分”を、具体的な事例を通して輪郭のある問題として示してくれます。たとえば、知事と議会が対等に選ばれる二元代表制がどう歪んでいたのか、なぜ特定の人物が事実上の決定権を持ててしまったのか。あるいは、新国立競技場の随意契約や、有明アリーナの満点評価など、ニュースでは流れても背景までは触れられない部分が、現場レベルの温度感で描かれています。ただの「問題の指摘」ではなく、なぜそうなるのかが構造として理解できるところが、この本の効きどころだと思います。 読み終える頃には、政治を遠いものにしていた霧が少し晴れて、「都政ってこういう仕組みで動いていたのか」と現実的な手触りが残ります。専門知識がなくても読めるけれど、背景まで知りたい人にとってはちょうどいい深さです。 政治を批評したいわけではなく、「判断の根拠を自分の中に持ちたい」と思っている人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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