
人は、なぜ他人を許せないのか?
中野 信子
アスコム / 2024-06-05
この本について
他人の言動にイラッとしてしまう時って、「なんで自分はこんなに許せないんだろう」と、後から自分に疲れてしまうことがありますよね。相手が悪いのは確かなんだけど、感情が暴走している自覚もあって、その両方に挟まれてしんどくなる感じ。僕もわりと日常的にあります。 この本は、そのモヤモヤを「仕組みとして理解する」ことで、少し距離を置けるようになるところが効きました。人を攻撃したくなる時に脳が快楽物質を出してしまう話や、怒りが湧いた瞬間に「これは中毒っぽいぞ」と気づくことで増幅を止められる感覚。同時に、日本では主張と人格が混ざってしまいがちな文化的な背景も説明されていて、「そりゃしんどいよな」と腑に落ちるんです。議論を楽しむフランスの空気との対比も、世界の見え方がガラッと変わる視点でした。 読んでいて、結論よりも「ああでもなくこうでもなく」と揺れ続けることこそ、怒りや正義感の暴走から距離を取るコツなんだと静かに分かってきます。正しさを振りかざす誰かを観察するより、自分の中の小さな正義中毒を見つける方が穏やかでいられる、そんな実感がありました。 「人を許せない自分がつらい」「正義感で疲れることが多い」そんな人に届く本だと思います。
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