
脳の闇(新潮新書)
中野信子
新潮社 / 2023-02-01
この本について
最近、人の言動に過敏に反応してしまったり、「なんでこんなに許せない気持ちになるんだろう」と自分でも扱いきれないモヤモヤが続くことがあります。正しさを求めたい気持ちはあるのに、気づけば他人の粗探しばかりしてしまう時もあって、そんな自分にうんざりすることもあります。 『脳の闇』は、その感情の源を「性格」ではなく「脳の仕組み」として説明してくれる本でした。たとえば、他人を糾弾したくなる気持ちが実はドーパミンの作用だとか、「自分は正しい」と思い込んでしまうのは情報を精密に吟味する余裕が脳にはないからだとか。読んでいくと、身の回りで起きているギスギスした空気の背景に、こんな構造があったのかと少し落ち着けます。また、自分の「許せないスイッチ」がどこにあるかを知っておくと、感情に振り回される場面が減るという指摘も個人的には助けられました。 正しさを振りかざす人を批判するだけではなく、自分が同じ罠にハマりやすいことも淡々と示されるので、読んだあとに少し距離を取って物事を見られるようになります。完全に寛容になれるわけではないですが、不必要に傷ついたり、燃え尽きたりする回数は確実に減る気がします。 正義感の強さに疲れてしまう人や、他者への怒りが自分でもコントロールできなくなりつつある自覚がある人には、静かに効く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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