
人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
エドガー・H・シャイン, 金井壽宏, and 金井真弓
英治出版 / 2009-08-08
この本について
人に相談されたとき、つい「答え」を渡そうとして空回りしたり、逆に自分が助けを求める側になると妙に身構えてしまったり。仕事でも私生活でも、支援する・されるの場面で小さな違和感が積み重なることってありますよね。相手のために動いているつもりなのに、なぜか距離だけが生まれてしまう感覚、私もずっと抱えていました。 この本が効くのは、そういう「関係のもつれ」の手前にある、立場や役割の微妙なズレに気づかせてくれるところです。たとえば、人は助けを求めるだけで一段低い位置に置かれたように感じる、という指摘。ここを理解しているだけで、最初の声かけが変わります。相手が何を求めているのか分からないまま内容に踏み込むより、「どうしてあげたらいい?」とプロセスから始めるほうが関係が柔らかく開く、という感覚も具体的に描かれています。また、支援の場面がうまくいかない理由を「相互の期待の曖昧さ」や「その場の劇場性」といった、人間関係の構造そのものから説明してくれるので、自分の失敗を過度に責めずに見直せるのも助かります。 誰かを支えたいのに距離の取り方に迷う人や、相談を受ける立場の難しさに疲れている人には、とくに静かに刺さる一冊だと思います。自分の無知を出発点にしながら関係をつくる、という姿勢を少しずつ日常に持ち込める本です。
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