
シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感 (幻冬舎新書)
中野信子
幻冬舎 / 2018
この本について
人の言動に妙なざらつきを覚えたり、SNSで“叩き合い”を見るたびに気分が重くなるのに、どこかで自分もそこに巻き込まれそうになる。そんなモヤモヤを抱えている人は多いと思います。自分の内側にあるはずのない感情がふと顔を出して、「なんでこんな気持ちになるんだろう」と戸惑う瞬間ってありますよね。 中野信子さんの『シャーデンフロイデ』は、その正体を淡々と説明してくれる本です。誰かを裁きたくなる心理が「倫理」や「正しさ」への欲求と結びつき、しかもその行動が脳にとっては“快楽”ですらあるという指摘は、読んでいて耳が痛いけれど不思議と落ち着きます。正義で人を攻撃してしまう背景には、集団を守ろうとする古い回路が働いていること、とくに日本では自分で意思決定するより“逸脱者を正す側に回るほうが安心”になりやすいことなど、日常で感じる違和感の説明がひとつずつつながっていきます。 読んでいて救われたのは、「こういう感情を持つのは人として自然」という前提があることでした。人間の脳がどう設計されているのかを知るだけで、他人への苛立ちも、自分の黒い感情も、少し距離を置いて眺められるようになります。感情そのものを否定するのではなく、どう扱うかに意識が向く感じです。 「つい人の言動が気になって疲れてしまう」「正しさの議論に巻き込まれると苦しくなる」そんな人に静かに効く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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