
無限の果てに何があるか 現代数学への招待 (角川ソフィア文庫)
足立 恒雄
KADOKAWA / 2017-02-25
この本について
仕事でも日常でも、「なんでこれは“正しい”ってことになっているんだろう」とモヤッとする瞬間ってありますよね。計算でもロジックでも、前提がどこにあるのかを曖昧にしたまま動いてしまう感じ。自分もそこでしょっちゅうつまずくのですが、この本を読むと、そのモヤモヤの正体がだいぶ輪郭を持ち始めます。 この本が面白いのは、数学を“絶対の真理”として扱わないところです。たとえば、1+1=2が本当に成り立つのは、公理という約束を先に置いているからだとか、自然現象と数学が一致しないときは数学が間違っているのではなく、前提が合っていないだけだとか、そういう話が静かに効いてきます。複素数や無限小数のような「当たり前のようでよく考えると不思議なもの」にも、ちゃんと背景があると知ると、自分が無意識に寄りかかっていた“思い込みの土台”が見えてきます。 読みながら、自分が普段仕事のロジックや資料作りで「これは前提として扱っていいのか?」と考える癖がついてきました。結論の正しさより、どの公理に依存して話しているのかを意識する感じです。数学に強くなくても読めますが、「当たり前を当たり前として放置したくない人」には特に刺さると思います。 難解な理論の解説というより、思考の足場を作り直すための一冊でした。自分と同じく、前提が見えずに迷いがちな人ほど、手元に置いておく意味がある本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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