
経営の失敗学 (日本経済新聞出版)
菅野寛
この本について
事業を続けていると、「この方針で本当にいいんだろうか」とか、「競合の捉え方がズレてる気がするけど、どこが間違っているのか分からない」といった曖昧な不安にぶつかることが多いと思います。自分なりに分析しているつもりでも、どこか表面だけをなぞってしまい、本質に届いていない感覚がある。僕自身、何度もそこで足踏みしました。 『経営の失敗学』が効くのは、この“どこがズレているのか分からない状態”をほどいてくれるところです。たとえば競合の捉え方について、企業側ではなく顧客が決めるという視点に触れると、なぜ読み違いが起きるのかが腹落ちします。また「顧客が求める価値は変わる」という前提に立つことで、今まで正しいはずだった戦略がいつの間にか陳腐化してしまう理由も理解できる。さらに、リスクの取り方についても“取るか取らないか”ではなく、“どうマネージするか”という現実的な考え方に引き戻してくれます。成功企業の表面的な行動ではなく、その裏にある価値観・能力・システムを丁寧に見る姿勢も、日々の意思決定の質を変えてくれます。 派手な成功法則は書いていませんが、思考の土台を作ってくれる一冊でした。特に「自分の事業の提供価値が本当にズレていないか」を定期的に問い直したい人には刺さると思います。
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