
岳飛伝 四 日暈の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2017-02-22
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分の軸ってこれでいいのか」と迷うことが多いですよね。部下に合わせすぎて判断が鈍ったり、逆に意地ばかりが先に立ってしまったり。強くあろうとすると、自分の弱さや不様さが急にこわくなる時もあります。 『岳飛伝 四』を読んでいると、その迷い自体が人間らしさなんだと思わされます。抜粋を見てもわかる通り、ここに出てくる人物たちはみんな揺れながら生きています。呉用が「志」よりも「夢」という言葉に反応したり、史進が木を斬りながら自分と向きあったり、誰かのために踏ん張ることを選んだり。立場や強さの差はあっても、迷いの質は驚くほど似ているんです。読んでいると、「完璧な指揮官」や「揺るがない人間」なんてものは実在しないんだと落ち着いてくる。 特に響いたのは、誰かを導く立場であっても、全部を決めずに見守る忍耐の話や、不様さを引き受ける覚悟の話です。現実でいえば、部下に任せるラインを決めきれなかったり、新しい挑戦の前で自分の器を疑ったりする場面に重なると思います。そこで大事なのは、立派な理念よりも「いま目の前の人を思う気持ち」や「まだ名前のついていない夢」のほうではないか、と静かに教えられる感覚があります。 自分の不安や迷いをごまかさずに前に進みたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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