
岳飛伝 五 紅星の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2017-03-22
この本について
仕事でも人間関係でも、昔より「正解がどこにもない感じ」が強くなってきて、ふと立ち止まった時に、自分が何を信じて進んでいるのか曖昧になることがあります。頑張り続けてきたつもりなのに、ふと「この重さは本当に自分のものなのか」と思う瞬間もあるはずです。 『岳飛伝 五 紅星の章』の抜粋を読んでいて強く感じたのは、登場人物たちが背負う“重さ”そのものよりも、その重さとの向き合い方にこそ読者が反応しているのでは、ということです。死にゆく呉用が「光は己が発するものだ」と語る場面は、誰かに照らされるのを待つのではなく、自分がどう生きたいかをそっと思い出させてくれます。また、「信じるものを大義だと思うな。成就してはじめて大義と呼べる」という言葉は、途中段階の自分を過度に責めず、いまの揺らぎごと抱えて進んでいいのだと教えてくれる。さらに、戦を前に泣き崩れる兵の姿や、人がむなしく死ぬことへの耐えられなさは、強さとは決して平然とすることではなく、弱さを認めた先にある積み重ねなのだと感じました。 派手な名言に励まされるというより、迷いながらも誠実に歩こうとする人たちが静かに背中を押してくれる一冊です。自分の“信じるもの”がいま揺らいでいる人には、特に届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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