
岳飛伝 十六 戎旌の章 (集英社文庫)
北方謙三
集英社 / 2018-02-25
この本について
仕事でも人間関係でも、「自分だけの問題ならまだしも、誰かの人生に影響が出る」と思った瞬間に、急に腹が据わらなくなることがあります。やるべきことは分かっているのに、心だけが落ち着かない。判断の軸も揺れて、妙に慎重になったり、逆に突っ走りそうになったり。ああ、こういう時こそ自分の未熟さが出るな、と何度も感じてきました。 『岳飛伝 十六』を読んでいると、登場人物たちの揺らぎが妙にリアルに響きます。戦の前夜に心が乱れる描写は、まさに自分の仕事の前日そのものだし、敵味方のはずなのに、ぶつかり合いながら言葉を交わせる場面には、立場を超えた「人としての筋」を思い出させられます。勝つ方法を考えることが弱さに見える仲間とのやりとりや、昔の理想が時を経て揺らいでいく様子も、「正しさを持ち続けるって本当に難しいよな」と思わせてくれます。 力まない方が力を出せる、と気づく将軍の場面も印象的で、現実の仕事にもそのまま戻せる感覚があります。結果を背負いすぎると動きが固くなるけれど、少しだけ遊びがあると視界が広がる。そういう経験がある人には特に刺さるはずです。 「重圧の下で、自分の軸が揺れる感覚を知っている人」に読んでほしい一冊です。戦の物語なのに、妙に生活に寄り添ってくる不思議な体験ができます。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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