
新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)
ビアス and 西川 正身
この本について
日常の中で、人間関係や仕事にちょっと疲れてくると、「なんでこんなに振り回されるんだろう」とか「自分だけ変なのかな」とか、妙な自己嫌悪に落ちる時があります。そういう時に、まったく別の角度から世界を見せてくれる一冊があると、少しだけ呼吸が楽になることがあります。 『悪魔の辞典』は、まさにその“角度”の塊みたいな本です。たとえば「過ちは自分がやると違反で、他人がやると犯罪」とか、「感謝は、受けた恩とこれから期待する恩の中間の感情」とか、わざとらしいほどに皮肉なのに、どこかで「いや、まあ…そういう時あるよな」と思わされる。自分の中のモヤモヤを、ちょっと笑える形に変換してくれる感じがあるんですよね。 もう一つ、この本が効くのは、「自分の見ている世界がすべてじゃない」と思い出させてくれるところです。たとえば“奇行”の定義に刺さる人は多いと思うのですが、あれを読むと「他人の行動を意味づけする時、結構勝手に解釈してるよな」と気づかされる。ビアスの毒舌は怖いけれど、距離を置いて自分や他人を眺める練習にはちょうどいい刺激です。 刺さるのは、「人間社会にちょっと疲れつつも、まだ見捨てきれない人」。読むほどに、人の愚かさが嫌になるのではなく、「まあ、みんな似たようなもんだし」と思える方向に落ち着いていくのが、この本の妙な優しさだと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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