
言葉を「武器」にする技術 ローマの賢者キケローが教える説得術
高橋健太郎
文響社 / 2017-06-28
この本について
仕事でも私生活でも、気づけば「どう伝えれば納得してもらえるんだろう…」という場面ばかりで、正しさを言葉にしたはずが相手の表情が固まっていく。そんな経験、僕も何度もあります。論理は合っているはずなのに動いてくれない。じゃあ何が足りないのか、いつもそこで手が止まっていました。 この本が面白いのは、「正しさ」を自分の基準ではなく“相手にとっての正しさ”に置き直してくれるところです。相手が認める根拠を使い、相手が納得できる道筋で結論に連れていくという、当たり前のようで実はできていない視点が丁寧に言語化されています。また、「何を語るか」と「どう語るか」を分けて考えるという発想も実践的で、会議前にテーマの“同じもの”や“より小さいもの・大きいもの”を探して論理を組み立てるだけでも、話の通り方が変わりました。感情と論理のどちらかに寄り切らず、相手の中で両方が動く前提で言葉を選ぶというキケローの考え方も、現場感のある学びでした。 「言っていることは合っているはずなのに届かない」と感じている人に刺さる一冊だと思います。結局、説得は特別な才能ではなく、相手を理解しようとする地道な作業なんだと腑に落ちました。僕自身、まだまだ迷いながらですが、この本を手にしてから言葉の重心が少し変わった気がします。
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