
人を動かす「正論」の伝え方
藤井聡
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) / 2022-09-01
この本について
仕事でも私生活でも、正しいと思うことを口にした途端、場がザワつく感じってありますよね。言っていることは間違っていないはずなのに、相手が固まり、結局こちらも「まぁいいか」で流してしまう。正論って、出した瞬間に空気を壊すカードみたいで、扱いづらいなぁと僕もずっと思っていました。 この本が面白いのは、「正論=理屈が正しいこと」ではなく、「それを主張することで誰かを幸せにできるか」という視点で語っているところです。理想と現実の差をちゃんと見たうえで、相手の反応に合わせて自分の言い方も調整していく。その循環こそが、相手を尊重するということなんだと腑に落ちました。また、正論を通すには、敵をねじ伏せるよりも、少しずつ理解してくれる仲間を増やす方が現実的、という話も刺さりました。自分の言葉が届く範囲をじわっと広げるイメージです。 さらに、「手段の目的化」に陥りやすいという指摘も、日々の仕事を思い出して妙に納得しました。やる意味が薄くなっているルーティンに振り回されているとき、この視点は一度立ち止まるきっかけになります。 正しさを押しつけるのではなく、「どうすれば届く形になるか」で悩んでいる人に向いている一冊です。私自身、正面突破ばかりでうまくいかない時期に読んで、力みが少し抜けました。
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