
THE RHETORIC 人生の武器としての伝える技術
ジェイ・ハインリックス and 多賀谷正子
ポプラ社 / 2018-04-05
この本について
人と話していて、「なんでこんなに噛み合わないんだろう」と戸惑うことがよくあります。正しさで押しても相手は動かないし、逆に感情でぶつかれば関係がこじれる。仕事でも家庭でも、ただ“言葉を交わしているだけ”になってしまう瞬間があると思います。 この本を読んで印象的だったのは、議論と口論をきっぱり分けているところです。相手をねじ伏せるのが口論で、相手をこちらに招き入れるのが議論。多くの人が気付かないまま後者を目指しているのに、やっているのは前者だという指摘にドキッとします。さらに、説得は論理よりも、相手が何を信じ、何を期待し、どんな感情を抱いているのかを読み取るところから始まる、という姿勢も現実的です。相手の論点を一度認めてみる、話題の焦点を未来に移す、極端な選択肢の置き方を工夫するなど、実際の場面で試せる視点が多いのも魅力でした。 読んでいて思ったのは、レトリックは“相手を操る技術”ではなく、“怒りを煽らずに会話を続けるための態度”でもあるということです。夫婦の関係が長続きする理由として「違いを認め合うための議論」が挙げられていたのも、仕事のすれ違いに悩む自分にはしっくりきました。技術が表に出ないことこそ効果的、という控えめなところも好きです。 「正しさだけでは人は動かない」と感じている人には、特に届く本だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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