
NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)
柾木政宗
講談社 / 2017-09
この本について
仕事でも日常でも、自分の“得意パターン”が通用しない瞬間ってありますよね。頭を使って解決してきたつもりなのに、気づけば行き詰まっていたり、そもそも自分のやり方に固執していただけなんじゃないか、とモヤッとする。僕はその感覚を抱えたまま読み始めたんですが、この本はその固定観念をゆるく裏返してくれる作品でした。 名探偵アイちゃんが「推理なしで事件を解決する」流れに振り回される場面が、読者にも刺さっているように感じます。自分のアイデンティティを揺らがされて混乱したり、プライドが空回りしたり、現実的に考えると痛いほど共感できる。そんな彼女が、足だったり偶然だったり、時には暴走気味の行動だったりと、形にならない“やりよう”で前に進む姿が、意外と励まされるんです。ロジックを積み上げるだけが推理じゃないように、僕らの問題も理屈だけでは解けないことが多いよな、と視点をずらしてくれる感じがあります。 さらに「物語が応募原稿である」というメタな仕掛けが、自分がいま囚われている枠組みそのものを疑うきっかけにもなります。何が正しい方法かより、どう転がるかを楽しんでみよう、そんな余白をくれる物語でした。 推理好きはもちろん、「自分のやり方に縛られて息苦しい人」に特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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