
人類の社会性の進化(Evolution of the Human Sociality) (上): 「社会」の学としての霊長類学 (アイカードブック)
山極 寿一、本郷 峻
この本について
仕事でも日常でも、人と関わる場面で「なんでこんなに意思疎通って難しいんだろう」と感じることが増えている気がします。自分だけうまく立ち回れていないような気がしたり、逆に人間関係そのものがだんだん負担になってきたり。そのたびに「そもそも人ってどういう生き物なんだっけ」と根っこから考えたくなることがあります。 この本は、まさにその“根っこ”の部分を淡々と拾い直してくれる内容でした。直立二足歩行がエネルギー節約として合理的だったとか、言葉の登場よりずっと前から150人規模の集団を維持していたとか、食物を運び分けるという行動が社会そのものを形づくってきたとか。一見バラバラに見える進化の話が、「なぜ私たちはこういう関係の作り方をしてしまうのか」という現在の戸惑いにきれいにつながっていきます。個人的には、育児の負担を分け合う必要から生まれた共感能力のくだりが、日常のぎこちなさに直で効きました。 人間関係に疲れるけれど、切り離すこともできない。その理由をもう少し大きなスケールで見直したい人に向いている本です。進化の歴史という距離を置いた視点から、いま自分が人とどう接しているのかを静かに整えてくれる感じがあります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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