
フェミニズム (思考のフロンティア)
竹村 和子
NHK出版 / 2022-04-25
この本について
最近、「ジェンダーって“ある”ものなのか、それとも“作られた”ものなのか」という問いにぶつかる人が増えている気がします。誰かを責めたいわけじゃないけれど、社会の前提に自分の身体や気持ちが押しつけられている感覚が残る。言語化できない違和感だけが手元に残って、結局モヤモヤが晴れないまま日常に戻っていく、あの感じです。 竹村和子さんの『フェミニズム』は、そのモヤモヤを正面から扱ってくれる数少ない本でした。たとえば、近代が「男は公、女は私」という形で人を配置し直してきた歴史を淡々と解きほぐしていくところ。これを知るだけで、自分の悩みが“個人の問題”じゃなく、制度や言説の積み重ねの中で立ち上がっていたんだと腑に落ちます。また、ジェンダーを「選べるもの」ではなく「命令され続けるもの」として捉える視点は、私自身が無意識に従ってきた基準に気づくきっかけになりました。さらに、本質主義と構築主義のあいだで揺れ続ける議論を紹介してくれるので、単純な答えに飛びつかずに考え続ける底力もつきます。 整理された結論がほしいというより、「自分の感じてきた違和感の正体を少しだけ可視化したい」という人には、とても静かに効いてくる本です。特に、社会の前提にうまく馴染めないとき、その理由を自分のせいにしがちな人に届くと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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