
棲月―隠蔽捜査7―
今野敏
新潮社 / 2020-08
この本について
仕事で判断に迷ったときって、結局「何を大事にするか」が曖昧なまま動いてしまって、あとからぐちゃっと後悔することが多い気がします。目の前のトラブルに振り回されて、原理原則みたいな足元の軸を置き去りにしてしまうんですよね。そういうときに『棲月―隠蔽捜査7―』を読むと、自分の迷いの正体が少し言語化される感覚があります。 竜崎の「背骨としての原理原則」という考え方は、公務員という特殊な立場の話に見えて、実はどんな仕事にも当てはまるところが多いです。例えば、理想の未来をどこまで想定できるかで、同じ行動でも意味づけが変わること。あるいは、居心地の良さに甘えて立ち止まってしまう危うさ。こういう視点って、忙しさに押し流されていると自分では気づけません。読んでいると、竜崎の不器用なほどの一貫性に触れて、「自分は何を優先するつもりで仕事をしていたんだっけ」と立ち止まれます。 もちろん、竜崎のようには生きられないし、真似する必要もありません。でも、原理原則を持つことの効能や、理想を掲げることの現実的な意味は、物語の中で自然と刺さってきます。特に、将来を“状況で決める”のではなく、自分の意思で決めようとする場面は、日々の判断にもそのまま響いてきます。 今の働き方にどこか引っかかりがある人や、「結局なにを軸にすればいいんだろう」と思うタイミングがある人には、とても相性のいい一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
読書の順序
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