
クラシック音楽全史――ビジネスに効く世界の教養
松田 亜有子
ダイヤモンド社 / 2018-10
この本について
クラシックって興味はあるのに、どこから触れたらいいか分からないまま時間だけ過ぎていく……そんなモヤモヤ、けっこう共有している人が多い気がします。自分も「有名な作曲家の名前は知ってるけど、実際どう聴けば面白くなるのか」がずっと曖昧なままでした。 この本がよかったのは、知識を積み上げるというより、クラシックの“流れ”が自然とつながっていくところです。たとえば、バロックからロマン派への変化がただの年代順ではなく、「どうして作曲家たちはこういう表現に向かったのか」という背景込みで描かれるので、音楽が人間の歴史と地続きだと腑に落ちます。ベートーヴェンが展開部を膨らませた理由や、シューマンがクララへの思いで一気に歌曲を書いた話など、作品の裏にある人間味が伝わってきて、曲が単なる“名曲”ではなくなっていきます。 もう一つ良かったのは、モーツァルトやシューベルトの音楽が「大声で励まさないタイプの優しさを持っている」という視点。これは実際に聴く時の体験を変えてくれます。しんどい日にピアノ曲を流すだけで、少し呼吸が楽になるのは、この本を読んでからようやく言語化できました。 クラシックを“教養”としてではなく、日常の中で自分の感覚を整えるために扱いたい人には特に刺さる一冊だと思います。構えずに読めるのに、読み終わるころには音楽の聴こえ方がほんの少し変わっている、そんな本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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