
ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる (文春新書)
片山 杜秀
文藝春秋 / 2018-11-20
この本について
音楽って好きで聴いているはずなのに、「なんでこれは心に刺さるんだろう」とか「時代や文化の違いってどれだけ関係あるんだろう」と、考え出すとわからなくなることがあります。自分の感覚だけでは手が届かない領域に、どうしたら踏み込めるのか。そんなモヤモヤを放置したまま大人になってしまった人は多い気がします。 この本は、音楽そのものを語るというより、「音楽が時代にどう扱われ、どう意味づけられてきたか」を丹念に追っています。三味線が“享楽的だから禁止された”とか、グレゴリオ聖歌が“声だけ”である背景に宗教戦争があるとか、軍楽隊すら国際政治の産物だったとか、一見関係なさそうな要素が全部つながってくる。音の形だけを追っても見えない歴史の姿が、急に立ち上がってくる感じがあります。 読んでいると、「なぜ今の自分がこの音楽を聴いて心が動くのか」を、少し外側から見られるようになるんです。ベートーヴェンが市民社会に支えられて変革できたという話も、単なる“天才物語”ではなく、聴く側・受け取る側を含めた大きな構図として理解できる。自分の“好き”も、もっと深いところに根があるんだなと思わされます。 クラシックに詳しくなくても大丈夫で、「世界の見え方をひとつ増やしたい人」に刺さる一冊です。音楽はこんなにも、人間の歴史と密接に動いていたのか、と静かに驚かされました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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