
失敗の研究
中尾 政之
この本について
仕事に慣れてきた頃に、なんとなく怖くなる瞬間があります。判断がマンネリ化している気がするし、気づけば「違和感」をスルーする癖までついている。忙しさに流されて、ぼんやり考える時間すら取れないまま、気づいたら同じ失敗を繰り返している気がする。僕自身、まさにそこでもがいていました。 『失敗の研究』は、そんな状態を一気に変えてくれるような“劇的な一冊”ではありません。でも、日常の中で見逃しているサインや、思考のゆるみの正体を、静かに、でも容赦なく照らしてくれます。たとえば、違和感を週に10個書き出す…と言われると少し大変ですが、その視点があるだけで、ニュースや会議の一言が「微弱信号」として見えてくる感覚があります。また、成功が続くほど規制をゆるめてしまう、いわゆる“過剰緩和”の怖さは、耳が痛いほど現実的でした。 もう一つ大きかったのは、「ぼんやりする時間を意図的につくる」という指摘です。忙しさか寝落ちか、その二択の生活をしていた自分には、少し無理してでも“中間の時間”を作る価値を再確認させられました。そこにこそ、次のストーリーを考える余白がある、と。 派手な啓発ではなく、自分の癖や仕事の進め方を丁寧に見直したい人に刺さる本です。僕にとっては「気づく力」を取り戻す手入れのような読書でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
読書の順序
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