
移民国家アメリカの歴史 (岩波新書)
貴堂 嘉之
岩波書店 / 2018-10
この本について
移民の話題って、日本にいるとどうしても「自分とはちょっと遠い問題」に感じがちですよね。ニュースでアメリカの移民政策が揺れているのを見ても、どこか別世界のこととして片づけてしまう。でも一方で、日本の少子高齢化や人手不足を考えると、そう遠くない未来にこのテーマを避けて通れなくなるのでは、というモヤモヤも残る。そんな葛藤をそのまま抱えて読めるのが『移民国家アメリカの歴史』でした。 この本が効くのは、アメリカの“理想”と“現実”の二面性を、物語ではなく具体的な歴史の積み重ねとして見せてくれるところです。メイフラワー号の美談の裏にある政治性や、自由の女神が実は移民歓迎の象徴ではなかった時代の存在、そしてアジア系移民や黒人が長く沈黙を強いられてきた歴史。こうした事実を知ると、「移民国家=自由で寛容」という単純なイメージがほぐれ、同時に“多様性とどう向き合うか”という問いが自分ごとに引き寄せられてきます。 読みながら感じたのは、アメリカの歴史を知ることは、日本がこれからどう共生社会をつくるかを考えるヒントにもなるということ。共生はスローガンではなく、誰を物語の内側に含め、誰が沈黙を強いられてきたのかを見つめるところから始まるのだと腑に落ちました。 移民や多様性について「きれいごとでは語れない現実を知りたい」という人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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