
真夜中の陽だまり ルポ・夜間保育園 (文春e-book)
三宅 玲子
文藝春秋 / 2019-09-09
この本について
仕事や家庭のことで手一杯のとき、「制度っていったい誰のためにあるんだろう」「困ってる人ほど仕組みからこぼれていくよな…」みたいな感覚ってありませんか。自分もニュースを見るたびに同じことを思っていて、けれど何をどう考えればいいのか整理できないままモヤモヤしていました。 この本は、夜間保育という“見えにくい場所”を丁寧に歩きながら、そのモヤモヤを実体のある「現場の声」として手渡してくれます。例えば、ベビーホテルが行政の“枠外”に置かれたまま放置されてきた背景や、保育士が深夜ひとりで十数人をみる現実、補助金の少なさが夜間保育園の増えなさにつながっているという単純だけど重たい事実。どれも、知ってしまうと「仕方ない」で片付けられなくなる話ばかりです。でも同時に、どろんこ保育園のように、子どもだけでなく親の生活そのものを支えようとする現場の工夫や小さな希望も見えてきます。 読んでいて感じたのは、制度や正しさを語る前に「そもそも、ここで生活している人たちの時間はどう流れているのか」を想像できるようになるだけで、世の中の見え方が変わるということでした。夜の子どもはかわいそう、という表面的な言葉では拾えない生命力や、そこに寄り添う大人たちの踏ん張りが描かれています。 現場のリアルから社会の構造を考えたい人、あるいは「声になりにくい場所で何が起きているのか」を知りたい人には、とても静かに刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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