
術語集 気になることば (岩波新書)
中村 雄二郎
この本について
大人として日々を過ごしていると、自分の見方がどんどん固まっていく感じがありませんか。子どもとの距離の取り方に迷ったり、他者とのズレをどこまで許容すればいいのか悩んだり、そもそも「世界をどう捉えているのか」が自分でもよく分からなくなるときがあります。頭では柔軟でいたいと思うのに、気づけば既存の枠組みの中に引き戻される、あの感覚です。 『術語集 気になることば』は、その枠組みそのものをほぐしにいく本です。専門的な語を並べているように見えて、「子どもを他者として見るとはどういうことか」「他人の世界にどう入り込めるのか」といった、ごく日常的な迷いに意外な角度を与えてくれます。たとえば、フッサールの相互主観性の話は、他者と同じものを見ているつもりでも、実際はまったく違う世界を共有しているという事実を静かに突きつけますし、ボードリヤールの消費論は、自分がモノではなく“記号”に反応している場面を思い出させてきます。そういう「自分の前提のほうが揺れる経験」が積み重なる一冊です。 難解に感じる部分もありますが、むしろ言葉を借りて自分の感覚を言い直すような読み方ができます。大きな答えをほしい人よりも、「考え方の地面をゆっくり入れ替えたい人」に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの81%が集中しています。
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