
「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略 (東京堂出版)
小泉 悠
東京堂出版 / 2019-07-10
この本について
国際ニュースを追っていると、ロシアの行動原理がよく分からないまま議論だけが流れていく感じがありませんか。自分もずっと「主権ってそんなに都合よく扱えるものなのか」「勢力圏って今の時代にまだ通用するのか」とモヤモヤしていました。この本は、その混乱の正体を言語化してくれた一冊でした。 読んでみて一番効いたのは、ロシアが語る「主権」が私たちの理解する主権とは別物だという点です。抽象的な普遍概念ではなく、大国だけがしっかり持てる力であり、周辺国の主権は前提として限定される。こうした前提を共有していないと、ニュースのたびに「なぜ?」が積み重なるばかりでしたが、彼らの秩序観を一度軸に置くと、一連の行動が「一貫しているように見える」瞬間が出てきます。 もう一つ印象的だったのは、国境よりもエスニックなつながりを重視する発想です。誰を「自国民」と見なすかが政治的介入の根拠に変わり、結果として領域とアイデンティティのズレが紛争を生む。北方領土でさえ、時差という形で「政治が作る距離」があるという描写にもハッとしました。 表向きの外交姿勢やスローガンではなく、「ロシアは世界をどう見ているのか」を具体的に把握したい人に刺さると思います。専門書寄りですが、ここを理解しておくと国際ニュースで迷子になる回数は確実に減りました。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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