
夢中になる東大世界史~15の良問に学ぶ世界の成り立ち~ (光文社新書)
福村 国春
光文社 / 202106
この本について
歴史の話って、学校で習ったときは「年号の暗記」で終わりがちですが、大人になってから読むと、じわっと今のモヤモヤに刺さることがあります。たとえば「民主主義って本当に正しいのか」「独裁のほうが混乱しないのでは」とか、ニュースを見るたびに考え込んでしまうことが増えていませんか。正義や自由の話になると意見が分かれ、簡単に語れない感じがずっと胸に残る。僕自身、そういう重たいテーマを自分の頭で考えるのに疲れていた時期がありました。 この本が面白いのは、フランス革命やアメリカ独立といった“知っているつもり”の出来事を、現代の価値観と地続きの問題として解きほぐしてくれるところです。たとえば「独裁のほうが人が死ななかったかもしれない」という中東の話や、「身体から人格を断定してはならない」という近年の価値観の形成が、何百年も前の“暴力をどう管理するか”という問いから続いていると分かると、自分がいま感じている違和感の根っこが見え始めます。また、民主主義が“普遍的だから正しい”のではなく、先人が試行錯誤の末にたどり着いた暫定的な仕組みであることを示してくれるので、世界のニュースを少し冷静に読めるようになる感覚がありました。 歴史を知るというより、「自分が何を前提に生きているのか」を確認したい人に刺さる本だと思います。迷いながら世界を見ている人ほど、静かに効いてきます。
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