
僕の人生には事件が起きない
岩井勇気
新潮社 / 2019-09-26
この本について
日常がずっと平坦に感じて、「自分の毎日ってこんなもんだよな」と思いながら過ごしてしまう時ってあります。仕事も私生活も大事件なんて起きないし、かといって退屈を楽しめるほど達観もしていない。そんな時に、目の前の景色を少し違う角度から見られたらもう少し楽になるのに、と思うことがあるんですよね。 『僕の人生には事件が起きない』は、“事件が起きない人生のまま楽しむ視点”をくれる本です。大げさな教訓があるわけではなく、著者が日常のどうでもいい場面に自分なりの見方を差し込んでいく。その姿勢が、読者の「何も起きない毎日」にじわっと効いてきます。例えば、誰がやってもいい仕事にモヤモヤしてしまう感覚をそのまま言語化してくれたり、便利すぎる社会が逆に不便を生む違和感を丁寧に拾ってくれたり、ただ街を歩くだけで勝手に小さな物語が転がり始めるあの瞬間を思い出させてくれたりします。 読んでいて特に刺さるのは、「日常を楽しむために特別な事件はいらない」というゆるい肯定でした。ぬぼーっと生きることもできるけれど、ちょっと考えながら生活してみると日々は意外と曲がりくねっていて、その歪みの中に面白さが潜んでいる。そんな視点が自然と身につくので、読後は普段の景色がほんの少しだけ違って見えてきます。 日常に飽きているわけじゃないけど、もうちょっと自分の視点を育てたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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