
二重らせん 欲望と喧噪のメディア
中川一徳
講談社 / 2019-12-12
この本について
メディアのニュースを見ていて、「この裏側ってどうなっているんだろう」とぼんやり感じること、けっこうあると思います。政治と企業とマスコミの距離感がよくわからないとか、歴史を調べようとしてもキレイに整理された説明しか出てこなくて、実際の現場で何が起きていたのかは掴みにくいまま。僕もそのあたりがずっとモヤモヤでした。 『二重らせん 欲望と喧噪のメディア』は、そのモヤモヤに土をかけるように、メディア業界の成り立ちを「生々しさごと」描いてくれます。たとえば、放送免許がどんな力学で配られたのかとか、新聞社が放送に後ろ向きだった時代のリアルな温度感とか、オーナー家同士の駆け引きが局のカラーをどう左右したのか、といった話は、今の番組編成や報道姿勢の裏に流れている長い川の流れを感じさせます。読んでいると「納得したくないけど、こういう構造ならそうなるよな…」と思わされる瞬間が何度もありました。 この本が効くのは、業界批判を求めている人ではなく、「事実としての構造を知りたい人」だと思います。良い悪いで片付けずに、誰が何を守ろうとして、どこで利害が衝突して、なぜ似たような争いが繰り返されるのか。読後は、目の前のニュースの見え方が少し変わります。メディアの不透明さに漠然と違和感がある人には、静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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