
恋に至る病 (メディアワークス文庫)
斜線堂 有紀
KADOKAWA / 2020-03-25
この本について
人間関係って、「この人を守りたい」と思う気持ちと、「いや、本当は距離を置くべきなんじゃないか」という直感の間で揺れることがありますよね。頭では分かっているのに、情だけが先に走ってしまうあの感じ。正しさと依存の境界が曖昧になると、自分がどこに立っているのか分からなくなることもあります。 『恋に至る病』を読んで刺さるのは、まさにその“揺れ”がとても丁寧に描かれているところです。誰かの痛みに手を伸ばしたつもりが、いつの間にか自分の判断が狂っていく瞬間。加害と救済のどちらにも傾く可能性があったと気づいたときの、胸の奥が重くなる感じ。迷い続ける景と、それを見つめる宮嶺の関係に、読者自身のしんどい記憶が重なることがあるかもしれません。 この物語は、刺激的な事件そのものより、「なぜ惹かれたのか」「どこで間違えたのか」を静かに追い続ける視点が核心になっています。自分の“天秤”がどちらに傾いたのか確かめたいときや、誰かとの関係が自分の輪郭を揺らした経験がある人には、とても深く入ってくるはずです。 自分の弱さも迷いも、全部ひっくるめて見つめ直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの37%が集中しています。
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