
コロナの時代の僕ら
パオロ ジョルダーノ and 飯田 亮介
早川書房 / 2020-04-24
この本について
最近、あの数年間のことを思い出すたびに、自分がどれだけ曖昧な言葉や空気に流されていたかにモヤっとすることがあります。あのとき何が起きて、何を見落としていたのか。忙しさにかまけて、ちゃんと向き合わずにきてしまった気がしていました。 『コロナの時代の僕ら』は、その置き去りにした視点を静かに拾い直してくれる本でした。パンデミックの原因を「自然との距離の詰め方」まで踏み込んで語る姿勢や、言葉ひとつの選び方が行動を左右するという指摘は、ニュースを追うだけでは絶対に気づけなかった部分です。また、数学を“関係を見るための道具”として使い、SIRモデルで状況を捉え直すくだりは、混乱の渦中で何を基準に判断すればいいのかを教えてくれました。そして何より、人類全体がひとつの共同体としてつながっているという視点は、誰を守ろうとしていたのか忘れかけていた自分への小さな痛みになりました。 「あの時代をただの記憶として流したくない人」に刺さる本だと思います。反省とか教訓というより、自分の行動や選択をもう一度ていねいに見直したい日に、そっと手元に置いておきたい一冊でした。
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