
コロナ危機の社会学 感染したのはウイルスか、不安か
西田 亮介
株式会社朝日新聞出版 / 2020-07-20
この本について
コロナの頃を思い返すと、「結局あの混乱は何だったんだろう」と今でも整理しきれないままの部分が残っています。専門家の意見も報道の温度感もバラバラで、自分の中の不安がどこから来ているのかすら曖昧になっていた感じがあるんですよね。あのときのモヤモヤは、もう二度と同じ形では来ないにせよ、別の局面でふと再現される気がします。 『コロナ危機の社会学』は、その曖昧なモヤモヤを「当時の空気がどんな構造で生まれていたのか」という目線で解きほぐしてくれます。ワイドショー的な反応がネットで一気に増幅した理由、政策判断が不安の波にどう巻き込まれていったのか、そして受け手側の認識がどう政治や報道とズレていたのか。どれも机上の批判ではなく、実際に起きていた具体的な現象として示されるので、「自分がどう反応していたか」を振り返りやすいところが大きかったです。特に、不安が連鎖していく仕組みや、社会に冗長性がなかったことで判断が硬直していった点は、今の生活や仕事にもつながる視点でした。 次の危機に備える、というよりは、「自分の不安がどう動くのか」を一度見える化しておきたい人に刺さる本だと思います。僕自身、あのときの空気を思い出しながら読んで、ようやく腑に落ちた部分がいくつもありました。
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