
新実存主義 (岩波新書)
マルクス ガブリエル and 廣瀬 覚
岩波書店 / 2020-01-21
この本について
「心って、結局どこにあるんだろう」とか、「脳の働きだけで自分の気持ちを説明できるのか」とか、ふと立ち止まる瞬間ってありますよね。日常では気にしないけれど、仕事で判断がブレたり、自分の感情がよく分からなくなったときに、じわっと浮かんでくる疑問です。 『新実存主義』は、そのモヤモヤを無理に片づけず、むしろ丁寧にほどいてくれる本でした。脳科学だけでは説明しきれない領域が確かにあること。私たちが「心」と呼んでしまう雑多な現象は、ひとつの対象ではなく、文化や身体や象徴活動にまたがる広いスペクトルだということ。そして、人間の経験を自然科学の枠だけに閉じ込めようとする思考には、実は見えない前提が潜んでいること。読んでいると、自分がどこでつまずいていたのかが少しずつ輪郭を帯びてきます。 「世界はこういう仕組み」と単純化したくなる気持ちをいったん横に置いて、もう少しだけ複雑な人間のあり方を受け止めてみたい人に向く一冊です。心の位置づけを巡る議論と聞くと難しそうですが、むしろ自分の実感に寄りそってくれるタイプの哲学でした。自分の感じ方や考え方の“説明のつかなさ”を抱えたままでもいいのだと思わせてくれます。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの49%が集中しています。
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