
もっと試験に出る哲学 「入試問題」で東洋思想に入門する (NHK出版新書)
斎藤 哲也
NHK出版 / 2020-05-11
この本について
仕事で判断に迷ったときや、人間関係で「どちらが正しいんだろう」と考え込みすぎて疲れることがあります。自分の中の基準がぐらついている感じがして、でも何かに寄りかかるとそれはそれで違和感がある……。そんな宙ぶらりんな状態って、意外と日常で起きがちです。 この本を読んで意外だったのは、東洋思想がその「揺らぎ」をそのまま扱ってくれるところでした。たとえば龍樹が説く“有でも無でもない”という見方は、物事を実体として握りしめようとする癖をふっと緩めてくれます。また、唯識の「認識のループ」という説明に触れると、自分が“見えていると思っているもの”がどれだけ主観に支えられているかに気づけて、不必要に思考に絡め取られにくくなる感覚があります。さらに、八正道や菩薩の心構えの章では、極端に走らず日々の行動ベースで態度を整えるヒントが見つかりました。スローガン的な「正しく生きよう」ではなく、目線の置き方や判断の仕方の変化につながるところが実用的です。 哲学書というより、「迷いの扱い方をいろんな角度から見せてくれる入門書」に近いので、考えすぎて疲れやすい人や、正しさに振り回されがちな人にはとくに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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