
思想としての〈新型コロナウイルス禍〉
河出書房新社編集部
河出書房新社 / 2020-05-25
この本について
最近、政治のニュースを見ていて「なんでこんなに噛み合わないんだろう」とか、「自分たちの不安や実感って、どこにも届いていない気がする」と感じることが増えました。民主主義って本当に自分たちの声を反映する仕組みなんだっけ、と足元がぐらつくような感覚です。コロナのときに見えた苛立ちや分断も、どこに置けばいいのかずっと整理できずにいました。 この本は、そうした混乱をそのまま材料にして、民主主義がもともと抱えている「疎外」や、「人民」と「人民像」のズレがどう広がるのかを丁寧にほどいてくれます。囲い込まれているようで実際には完全には囲い込まれていないとか、緊急事態になると成熟した法と原始的な反応が一致してしまうとか、一見逆説のような説明が続くのですが、不思議と自分の実感と噛み合う瞬間が多いんです。緊急権をどう扱うべきか、国家がどこで暴走しやすいか、といった具体的な論点も、単なる理屈ではなく「自分の生活の延長線」で理解できるようになっていく感覚がありました。 読み終わる頃には、コロナ禍で見えてしまった世界のいびつさを「なんとなくの不安」のまま放置しなくて済むようになり、自分が何に違和感を持っていたのかを言葉にできるようになります。政治に詳しくなくても、あの数年間をどう受け止め直せばいいのかを探している人には、かなり刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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