
民主主義 (角川ソフィア文庫)
文部省
オープンシェルフパブリッシング / 2023-06-01
この本について
最近、ニュースを見てもSNSを眺めても、「何を信じていいのか」「自分の意見ってそもそもあるのか」と、じわっと不安になることが多い気がします。誰かの強い言葉に流されてしまったり、逆に黙ってやり過ごすほうが楽に思えたり。そんなときに、この『民主主義』を読み返すと、少し足元が整う感じがしました。 刺さったのは、民主主義が制度の話ではなく、「自分の人格を尊重し、自分の判断で考える」という、もっと生活に近い姿勢として語られているところです。事実に向き合う態度が必要だという話や、「人間の平等」が“ぜんぶ同じに扱う”ことではなく、“能力を伸ばす機会を等しく持つこと”だと説明されるあたり、いまの社会のモヤモヤがかたちになる人も多いと思います。権力に巻かれて黙るのではなく、まず自分を卑しめない心の持ち方から始まるという指摘も、教科書以上の重みがあります。 戦後すぐのテキストなのに、驚くほど今の私たちに刺さる理由は、「民主主義は生活の中で実現されてこそ意味がある」という視点が徹底しているからだと思います。情報の流れが速くなった時代にこそ、自分で判断する力をどう保つかに悩んでいる人に静かに効いてくる一冊です。
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