
いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか (講談社現代新書)
内藤朝雄
講談社 / 2009-03-19
この本について
学校の空気って、大人になってから振り返っても説明しづらいものがありますよね。理不尽だと思っても、場のノリに逆らえなかったり、変な沈黙の圧に負けて何も言えなかったり。あの感じは何だったんだろう、と思い続けている人は多いと思います。 『いじめの構造』は、そのモヤモヤを「個人の性格」ではなく「空間がつくる秩序」として扱います。読んでいて刺さるのは、加害者の行動が“悪意の問題”ではなく、“学校的な空間で生きるための当たり前”として成立してしまう、という指摘です。署名の話にあるように、子どもだけでなく大人までその秩序に巻き込まれ、拒否した瞬間に村八分が待っている。あの重苦しい空気の正体が、具体的に説明されていきます。 同時に、「彼らは市民社会の論理が通じる場に出ない限り、群れの倫理を続ける」という視点は、救いでもありました。あれは“人がそういうもの”なのではなく、“特定の空間がそうさせる”ということ。だからこそ、構造そのものを言語化しないと変わらない。読んだあと、昔の記憶の解像度が一段上がります。 自分が感じた理不尽にまだ名前をつけられていない人にこそ刺さる本です。
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