
天皇の国史
竹田 恒泰
学研マーケティング / 2020-08
この本について
歴史を学ぼうとすると、どこから手をつければいいのか分からなくなったり、「結局いまの自分とどう関係あるんだろう」とモヤっとすることが多いです。自分もそのタイプで、年号や事件名だけ追っても腑に落ちないまま終わることがよくありました。 『天皇の国史』が面白かったのは、地形や気候から始まり、磨製石器や古墳の形、皇位継承のねじれまで、歴史が“環境と人の行動の積み重ね”として見えてきたところです。特に、日本列島が置かれた自然条件が文化の早熟にどう影響したのか、あるいは天皇の役割が「知ること」に重心を置いてきた理由など、目の付けどころが実感に変わる瞬間がいくつかありました。単なる神話や政治史ではなく、「なぜそうなったのか」を自分の頭でたどれる感覚があります。 もう一つ、この本が効いたのは、歴史が固定された評価ではなく、試行錯誤の連続として読めた点です。皇位継承の迷いや、藤原氏が力を握っていく過程、幕府の弱体化など、どの場面も“混乱の中で判断した人たち”として描かれていて、自分たちが日々迷うのと地続きに感じられました。 日本史を一度、自分の尺度で捉え直したい人に刺さる本だと思います。
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