
「読む」って、どんなこと? NHK出版 学びのきほん
高橋 源一郎
この本について
仕事でも日常でも、「みんなはこうしている」「正解はこっちだよ」という空気に押されて、自分の感情がどこにあるのか分からなくなるときがあります。社会の言葉に合わせながらも、本心はどこかざわついたまま放置してしまう感じ。そんなときに、この本を読んでいる人はけっこう多いんじゃないでしょうか。 『「読む」って、どんなこと?』が面白いのは、“読む”という行為を、知識を増やす手段としてではなく、「社会の声に飲み込まれないための武器」として描いているところです。抜粋から伝わってくるのは、正しさを植えつけられることへの違和感とか、みんなの声が大きすぎて自分の声が聞こえなくなる感覚とか、そこからなんとか個人として立ち上がろうとする静かな葛藤です。高橋源一郎さんは、「二つの場所を持つこと」や「自分の中にもう一人の自分を飼うこと」という具体的なイメージで、押し流されそうな日常に小さな逃げ場をつくる方法を示してくれます。 読んでいるこちらも、問題をすぐに解決するんじゃなくて、“考え続ける場”を取り戻していく感じがあって、そこが救いなんですよね。怖いくらい静かな文章に触れながら、社会に向けて開いたままの心を一度閉じて、自分の温度に合わせて読み直すような時間が生まれる。そんな読書体験になります。 「みんなの声に馴染めないとき、どこに立てばいいのか分からなくなる人」に特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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