
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった (コルクスタジオ)
岸田奈美
この本について
家族のことを考えると、どうしても「正しさ」を探してしまうときがあります。病気になったら何を優先するべきかとか、どこまで支えるべきかとか。相手のためと言いながら、結局は自分が後悔したくないだけなんじゃないか……と気づいて、胸がざわつくこともあります。 この本は、そのざわつきを無理に消さずに、少しだけ視点をずらしてくれます。たとえば、幡野さんとの会話から見えてくる「本人はどう望んでいるのか」という問い。家族が長生きする道を選ぶよりも、好きに生きる姿を見届けることの方が、残される人の後悔を減らす場合もある――そんな考え方に触れると、支えるって何だろうと改めて考えさせられます。また、家族は選ぶことができるという話も印象に残ります。自分が好きでいられる相手との関係を大切にすることで、自分にも他人にも優しくできるという実感が、読むうちにじわじわ湧いてきます。 家族だから大事にしているのか、それとも大事に思う相手だから家族なのか。そんな順番の入れ替えがふっと腑に落ちたとき、身近な人との距離の取り方が少し変わります。誰かを大切にすることが義務ではなく、選択になる感じです。 誰かの「ため」をずっと背負い続けて苦しくなっている人に、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの48%が集中しています。
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