
認知症の私から見える社会 (講談社+α新書)
丹野智文
講談社 / 2021-09-17
この本について
家族の誰かを支えたいと思って動いているのに、気づけば相手を追い詰めてしまった気がして落ち込むことがあります。何が正しいのか分からなくなるし、相手のためと思ってやっている行動が、本当に良いのか自信がなくなる。そういうモヤモヤを抱えたまま介護や接し方を続けている人は多いと思います。 この本は「当事者の目線だと、同じ出来事が全然違う意味に見える」ということを具体的に語ってくれます。例えば、先回りして全部やってあげるほど本人は自信を失うこと、行動を制限されるストレスはケガのリスクよりずっと大きいこと、そして失敗しながら自分で決める機会こそが“生きている実感”になるということ。読むと、気をつけるべきは技術よりも関係性なんだと静かに腑に落ちます。 特に、電気の消し忘れや外出など、日常の小さな“困りごと”の場面でどう向き合うかが丁寧に語られていて、自分の中の思い込みをやわらかくほぐしてくれます。完璧に支えることではなく、同じスピードで横に並ぶこと。それなら自分にもできるかもしれないと思えました。 家族のサポートに息苦しさを感じている人、正しさよりも“関係の作り直し”を考えたい人に静かに届く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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